時は大正時代。
日本有数の誘客数を誇っていた飯坂温泉が舞台のお話。
二代目・阿部義雄は、青果店を営む傍ら、
愛する飯坂温泉の名産品を作りたいと日々考えていました。
そんなある日、いつものように近所の共同浴場へ向かいます。
ただ、その日は、湯につかりながら飲む酒の肴に、
ゆでたまごでも作ろうとたまごを持って行きました。
当時たまごは高級品でした。
手ぬぐいの中に包まれ
熱々の源泉にどっぷり浸けられた、たまご。
馴染みの友人らとの会話に花が咲きすっかり忘れていたたまごを
失敗したとばかりに源泉から取り出し、家に持ち帰りました。
食べてみようと殼を割ったその時、白身がとろり。
固まっていない。
「なんだべな!これ!」
恐る恐る、口にしたそのたまごは、
今までに味わったことのない食感と風味でした。
「これを売りたい!」
二代目・阿部義雄はすぐに商品化に取り組み、
地元の医師から「ラジウム」の存在を聞き、
『元祖ラヂウム玉子』と名付け、販売を始めました。
しかしすぐには売れず、たまごの無駄遣いとまで言われる日々。
あきらめずに温度や、浸ける時間、卵の種類など、
試行錯誤の日々を繰り返し売り続けました。
次第に努力は実を結び、地元の人々から愛され
また温泉旅館の朝食の味として、飯坂温泉の名産品となりました。
現在も、販売当時と変わらぬ手法を受け継ぎ作り続けています。
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こだわり1 / 加工する鶏卵
選び抜いた「ラヂウム玉子」専用の鶏卵を使用しております。
鶏に食べてもらう餌からこだわり、当社指定の安心安全な国産鶏卵を使用しております。 -
こだわり2 / 源泉
天然源泉100%の自然のまま、混ぜものなし、沸かし直しなし、加温なしで製造しております。
販売当初からの変わらぬ源泉を、今も使用しております。 -
こだわり3 / 品質
日々変化する源泉温度、外気温、同じ条件は1日としてない中、浸ける時間の調整を行うことで、
同じ品質で提供し続けます。自然相手のマニュアルのなせない業であり、
代々店主自らが日々真摯に向き合い続けております。 -
こだわり4 / 商品
販売当初から、「ラヂウム玉子」を一つ一つ紙で手包みをして提供しております。
飯坂温泉のシンボルでもある「十綱橋」をあしらった販売当初からの包装紙を今も引き継いでおります。 -
こだわり5 / お客様
一度来たら二度、二度来たら三度来ていただけるようなお店づくりを心がけております。
よらんしょ、こらんしょ、まわらんしょ。ささか、さかさか、飯坂へ♪(飯坂小唄)私たちは、地元の皆様、飯坂温泉に訪れた皆様に、「ラヂウム玉子」をお届けすることで、 福島の食卓文化の一品として、食卓にはいつも「ラヂウム玉子」がある。
飯坂の味として、みちのく旅の手土産にはいつも「ラヂウム玉子」がある。
そんな存在を目指し、これからも製品づくりと日々向き合い続けます。
製造の流れ
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工程1
養鶏場から届いた厳選した鶏卵を、ひとつひとつ目で確かめながら、加工用の竹籠へ移します。
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工程2
飯坂温泉の天然源泉かけ流しの湯船(沸かし直しなし、混ぜものなし)に、小1時間浸します。
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工程3
湯あがりのたまごたちを目で確かめながら、ヒビものやワレものを取り除き、商品を仕分けながら冷まします。
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工程4
冷めたたまごたちを、手作業でひとつずつパッケージし、商品にしていきます。